天空のマリオネット

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ブレードランナーに夢中!今更この映画の偉大さがわかった

2017年に映画ブレードランナー2049』が上映されましたね。
私は見にいっていないのですが、映画ファンの友人たちの間では評判はあまりよくないですね。

 

やっぱり2作目は駄作になるというジンクスはなかなか抜け出せないのかもしれません。

 

そんな話をしていたら、むしょうに一作目の作品が観たくなったので、レンタルして観てみました。

 

やっぱり面白いとしか言いようがありません。
私がみたのはいわゆる、最終的な作品であるファイナルカット版です。

 

 

実はこの作品は、5つのバージョンがあるという珍しい作品なのです。

1)ワークプリント版

これは映画の試写用に作られたフィルムです。
当初、このワークプリント版ではすぐに席を立つ人が続出し監督のリドリー・スコットはかなり悩んだといいます。

 

2)オリジナル版

これはアメリカ国内で上映されたもので、ワークプリント版で不評だった理由を改善したフィルムになります。

ワークプリント版が不評だった理由は、内容がわかりずらいということです。
これはSF映画によるあることなのですが、設定などをわかりやすく説明することなくドンドン話がすすめられていくために、観客の頭は「?」でいっぱいになってしまうんです。

また、ハッピーエンドを好むアメリカ人からはワークプリント版の「どうとでもとれる終わり方」というのは受け入れらなかったのです。

そのため、主役のハリソン・フォードに逐一「独白」させて状況説明を入れるという手法を取り入れました。
こうすることにより、ブレードランナーという作品はとても内容がわかりやすくなりました。

ついでに、終盤にはハッピーエンドになるように取り直したフィルムを差し込んであります。


3)インターナショナル版

アメリカ国内向けのオリジナル版を海外への配給のために改善したフィルムです。
変更点は、未収録であったアクション(暴力)シーンを復活させて、よりハラハラ感が増した作品になりました。

 

4)ディレクターズカット版

ハリソン・フォードの状況説明で映画の内容がわかりやすくなったのはいいが、監督はこの演出がイヤで嫌でしょうがなかったようです。

このディレクターズカット版は、最初のワークプリント版に近いものとなっています。
そのため、当初のわかりずらい、一見さんお断り的な作品になっています(笑)

最大の変更点は主役であるハリソン・フォードが「ユニコーンの夢」を見るシーンが追加されていることです。
この夢があることで、この映画の見方が全然変わってしまうのですが…(汗)

そして、インターナショナル版で復活した暴力シーンを再びカットしました。


5)ファイナルカット

デジタル技術を使って画面全体の色調を調整した作品です。
青空を夜デジタル処理で夜空に変えたり、などの変更がされています。

また、ディレクターズカットでカットされた暴力シーンがまた復活しています。
監督はいったいこのシーンを入れる入れないでどれだけ悩んでいるのか(汗)

 

 


結局、私はワークプリント版以外は全部観たのですが、個人的にはオリジナル版が一番楽しめました。

 

やはり映画はわかりやすいのが一番だと思います。
オリジナル版は状況報告の独白があるので、

  • 今なんのシーンなのか?
  • これからどうするべきなのか?
  • こいつは誰なのか?

などがとてもよくわかります。
ぜひ、彼女とDVDを見る機会があれば、オリジナル版を一緒にみるのがいいと思いますよ。
それにオリジナル版では暴力シーンのカットされているので女性にも見やすいと思います。

 

そして、これを観た後でファイナルカット版を見ると、なるほど、独白ない方が良いな!とか思えるし、ここが改善されているのか…などと楽しむこともできますからね。